最近では「前リュック」のマナーについて議論が広がっていますが、そもそもこのルールはいつから、どのように生まれたのでしょうか?
また「リュックは邪魔」と思われる場面が増えた背景には通勤・通学ラッシュ時の混雑や、お互いへの気遣いの変化が関係しているかもしれません。
結局、リュックってどうすればいいの?
本記事では、
- 前リュックにする意味
- 前リュックがマナー違反とされ始めたのはいつ
なのかを詳しく解説していきます。
電車でリュック前に背負うのは意味ない?
後ろの方に迷惑をかけないように前に抱えて乗るというのは、周囲への気遣いという点では意味がないわけではありません。
ただ単純に「前に背負えばいい」というわけではなくなってきた、ということを理解しなければならないということですよ。
リュックを前に背負うことの意味
リュックを前に背負う理由として、以下のような点が挙げられます。
しかし、一方で「前に背負っても結局スペースは変わらない」「両手がふさがってしまう」という声もあり、その効果に疑問を感じる人もいるのです。
前リュックがマナー違反とされる場面とは?
前リュックが推奨される一方で、マナー違反とされる場面も存在します。
以下に、その具体例を挙げますね。
電車でのリュックの扱い方について迷うことがあるかもしれませんが、大切なのは状況に応じた適切な判断です。
混雑時にはリュックを前に抱える、あるいは手に持つことで周囲に配慮しましょう。
一方、空いている車内では無理に前に抱える必要はありませんよ。
電車で前リュックのマナー違反はいつから?
過去の電車マナーといえばリュックを「前に抱える」というフレーズが常套句でした。
このルールは通勤ラッシュ時などの混雑した電車内で、
として広まったものです。
しかし、ここ数年の間にその表現が鉄道会社のキャンペーンやポスターから徐々に姿を消しつつあるのをご存じでしょうか?
そのきっかけは2023年3月に関西の鉄道事業者19社局(JR西日本、阪急電鉄、近鉄など)が共同で実施したマナーキャンペーンにあるんですよ。
こちらでは「手荷物の置き方、持ち方」がテーマに掲げられました。
このキャンペーンでは駅構内や車内にポスターが掲示され、手荷物をどのように扱うべきかがイラスト付きで説明されていました。
そのポスターには、
といった具体的な指示が記載されていました。
しかしながら、「リュックを前に抱える」という表現は一切見当たりませんでした。
この点からも、電車内でのリュックの持ち方に関するマナーが変化してきていることがうかがえますよね。
文言変更の背景
では、なぜ「前に抱えて」という文言が消えたのでしょうか。
その理由を関西鉄道協会に尋ねたところ、
過去に「前に抱えて」という表現を使用した際、身体的な理由やその他の事情でそれができない人たちからの指摘があった
とお話をされていましたよ。
その結果、「背負ったままでは迷惑」という問題の本質に焦点を当てることになりました。
そして「前に抱える」ことよりも、まずは『リュックを肩から外して手に持つ』または『網棚に置く』ことを推奨する方針に転換したといいます。
身体的理由への配慮
リュックを前に抱えることができない人には、例えば以下のような事情があります。
このような配慮が必要な状況を考慮し、鉄道会社は「リュックを手に持つ」という柔軟な対応を呼びかけるようになったのでしょう。
電車でリュックはどうするべき2025?
これまではただ単に「前に持てばいい」と考えていましたが、現在は状況に応じて持ち方を変えるというスタイルになってきています。
「リュックを手に持つ」「網棚に置く」といった選択肢が広く周知されるようになったおかげで、これまでリュックを前に抱えることが難しかった人も他の乗客に迷惑をかけない方法を選ぶことができるようになりました。
ポスターやアナウンスも具体的な指示ではなく、「周りの人への配慮」を促す内容にシフトしています。
とはいえ、電車内でのマナーに対しては乗客からはさまざまな意見が寄せられているんですよ。
一部では「リュックを前に抱えるというルールがなくなると混雑時のストレスが増える」といった懸念もあります。
また混雑が少ない時間帯や車両ではリュックを背負ったままでも問題ない場合が多く、過度なマナー指導への批判も一部では見受けられます。
そのため鉄道会社としては、混雑時や車内環境に応じた柔軟な対応を促すことが重要視されているんですよ。
今後のマナー啓発活動では単に一律のルールを押し付けるのではなく、乗客が自身の状況を判断して周囲への配慮をもって行動することを促す方向に進むのではないでしょうか。
電車でリュック前に背負うまとめ
- 前に背負うことは意味がないわけではない
- 「前に抱える」というフレーズは2023年3月のマナーキャンペーンをきっかけに消えた
以上のことがわかりました。
電車内でのリュックの持ち方を巡るマナー問題は、「前に抱えて」が常套句だった時代から大きく変化してきました。
その背景には多様な事情を持つ乗客への配慮や、問題の本質を見直す動きがありました。
これからも鉄道事業者と乗客が協力し合い、より快適で安全な公共交通機関の利用が実現されることを願います。