マイナンバーカードを保険証として使うと医療費が安くなると思っていたのに「実際には変わらない」、もしくは病院によって対応が違うと感じたことはありませんか?
制度の導入時に「便利でお得」と宣伝されていたことから期待した方も多いでしょう。
しかし、なぜこのような差が生じるのでしょうか?
実は、医療費に影響する仕組みや病院ごとの対応状況には意外な理由が隠れています。
この記事では、
- マイナ保険証使っても医療費が安くならない理由
- 各病院での違い
についてわかりやすく解説します。
マイナ保険証利用でも安くならない理由はなぜ?
ちなみにこの加算は病院によって扱いが異なっており、その違いに「安くなる」or「安くならない」の理由に繋がっています。
では、この加算がどのように医療費に影響を与えるのか…また病院や薬局によって差が生じる理由について詳しく解説します。
安くなる正体とは?
先でもお伝えした「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」(以下、基盤加算)は、マイナ保険証の利用促進を目的とした診療報酬の一種です。
この加算が適用されることで、
になっています。
ただし、この加算が適用されるかどうかは医療機関や薬局が一定の条件を満たしているかによって決まるんですよ。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の適用条件とは?
この加算が適用されるためには、以下の条件を医療機関や薬局が満たしている必要があります。
上記を満たした医療機関や薬局では基盤加算が適用され、患者負担が軽減されます。
マイナ保険証利用は病院によって違う?
基盤加算の適用には医療機関ごとの準備状況や経営判断が影響しており、すべての医療機関が一律に対応しているわけではないんですよ。
マイナの読み取りの機械を入れるのにも、お金がかかるんだよね。
また、来院している患者さんの年齢層によっても状況が変わってきたりもすると思われます。
では、どのような理由があって違いが生まれるのか見ていきましょう。
システム導入の遅れ
オンライン資格確認システムの導入には初期費用や運用コストがかかるため、小規模な病院や診療所では導入が進んでいない場合があります。
その結果として基盤加算の適用条件を満たせず、マイナ保険証を利用しても窓口負担に影響がないことがあります。
情報掲示の不備
条件のひとつである「取り組み内容の公示」を怠っている施設では、基盤加算が認められません。
このような場合にはオンライン資格確認システムが導入されていても、患者側のメリットが得られない可能性があります。
患者の利便性を優先した運用
一部の医療機関では基盤加算を意図的に申請しないことで診療報酬全体の加算を抑え、結果として患者の窓口負担を低く保つ運用を行っています。
これは患者にとっては一見メリットのある選択肢ですが、長期的には制度の普及を妨げる一因にもなり得ます。
マイナ保険証利用だといくら安くなる?
こう見ると、かなり変わった印象を受けますよね。
では、その仕組みと実際にどれくらい安くなるのかをわかりやすく解説します。
保険証とマイナ保険証の費用比較表
こちらは、令和6年1月からの料金差を表にしたものです。
項目 | 保険証 (従来の健康保険証) | マイナ保険証 |
---|---|---|
初診料 | 12円(4点) | 6円(2点) |
再診料 | 0円 | 0円 |
調剤管理料 | 9円(3点) | 3円(1点) |
ちなみに再診料は「0円」なんですよ。
医療費が安くなる理由
マイナ保険証を利用すると医療費が安くなる理由は、医療機関や薬局での業務効率が向上するためです。
マイナ保険証を使用すると、医療機関や薬局はオンラインで以下の情報を瞬時に確認できます。
これにより従来は問診や記録確認にかかっていた手間が削減され、事務作業が大幅に軽減。
その結果、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の費用が低く設定されるのです。
大きい病院ほど、この作業軽減の恩恵を感じやすいのかも…。
一方で従来の健康保険証を利用した場合には上記の加算が医療費に上乗せされます。
それによって患者が支払う金額が高くなる仕組みになっています。
マイナ保険証利用でも安くならない理由まとめ
- 「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が関係
- この加算を『取る』『取れない』『取れるけど、あえて取らない』で違いがある
- 加算を取るには病院・薬局が条件を満たす必要がある
以上のことがわかりました。
マイナ保険証を利用することで医療費の負担を軽減し、手続きもスムーズになるメリットはあります。
初診料や調剤管理料が抑えられるため、特に通院頻度の高い方にとっては長期的な節約が期待できますよ。
マイナ保険証の利用を検討することで日々の医療費を少しでも減らし、より快適な医療体験を手に入れてみてはいかがでしょうか?