毎年の酉の市で授かる「熊手」は商売繁盛や金運上昇の象徴として大切に飾っている方も多いですが、「古い熊手はどこに返せばいいの?」「購入した神社以外に持って行ってもいいの?」と悩む人も少なくありません。

特に遠方で同じ神社へ行けない場合や、引っ越しをしてしまった場合などは迷いますよね。
実は熊手の返納には厳密なルールはなく、感謝の気持ちをもって行えば方法はいくつかあります。
この記事では、
- 違う神社に返してもよいものか
- 正しい返納・処分
こちらについてわかりやすく解説します。
読み終えるころには、気持ちよく新しい熊手を迎えられるようになりますよ。
酉の市の熊手は違う神社に返納はアリ?
まずは「ありがとう」の気持ちを持つことが大切ですよ。
もともと熊手は神社から「授かる」縁起物です。
神社で受け取るものは“商品”ではなく“神さまのご加護をいただく”性質のものであるため、「せっかくなら…」という気持ちも自然なことです。

とはいえ、諸事情によって難しい場合もありますよね。
「熊手は別の神社に持って行ってもいいの?」と不安になるのは、私たちの中に「授かったものは元の場所へ」という意識が根付いているからではないでしょうか。
たしかに、お札やお守りなどはその神社へというのが一般的です。
しかし熊手については、少し性格が異なります。
熊手は「福をかき集める」「運を呼び込む」といった象徴的な意味合いを持ち、“福運のリレー”のように毎年新しいものに取り替えていく縁起物なのです。
実際に横浜で有名な「金刀比羅・大鷲神社」でも、熊手を授かる参拝者は横浜市内外から訪れます。

その中には翌年返しに来るのが難しいなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、熊手は地域や神社の枠を超えて“福を呼ぶ縁起物”として広く扱われてきました。
つまり
ではありますが、
なのです。
年の瀬が近づいたら、これまで福を運んでくれた熊手に「ありがとう」と心を込め、お返しすれば大丈夫です。
大切なのは形式よりも気持ちということですよ。

神さまは「どこで燃やしたか」ではなく、「どんな想いで返したか」を見守ってくださる――そう考えると、少し気持ちが軽くなりますね。
また、どうしても…という場合には郵送で返納できる神社もあります。
こちらについては、事前に公式サイトや電話で確認してみると安心ですよ。
古いものの返却方法は?
1年間、金運や商売運をかき集めてくれた熊手ですが、「古い熊手はどうするべき?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

これについては、以下で説明していきますね。
購入した神社に返納するのが基本
やはり最も理想的なのは、授与された神社に返納する方法です。
ここに古い熊手を納めれば、正しくお焚き上げしてくださいます。
特別な手続きや費用は必要なく、事前に申し込みをしなくても構いません。
近くの神社も可
熊手は、お授けいただいた神社とは別の神社に返納しても大丈夫ですよ。
この場合、近所の神社に持参して「こちらでお焚き上げをお願いできますか」と尋ねれば丁寧に対応してくださいます。

熊手は厳格な決まりがあるわけではなく、「感謝を込めてお返しすること」が一番大切です。
地域行事「どんど焼き」に出す
地域の「どんど焼き」に出すという方法もあります。
どんど焼きは毎年1月15日前後に行われる伝統行事で、正月飾りや古いお守りを炎にくべて天へ還す儀式です。
火の神様に一年の感謝を捧げ、煙にのせて神々をお見送りする――そんな意味が込められています。
地方によっては「左義長(さぎちょう)」「鬼火焼き」「おんべ焼き」など呼び方も様々です。
ただし地域によって持ち込みルールが異なるため、事前に自治体や主催神社へ確認しておくと安心です。
自宅で処分する場合の手順
どうしても神社や行事に参加できない場合は、自分で処分も可能です。
とはいえ、そのまま捨てるのではなく、以下の手順でお清めを行いましょう。
- 白い紙や新聞紙を広げ、その上に熊手を置きます。
- 塩をふってお清めします(粗塩が望ましい)。
- 「一年間ありがとうございました」と心の中で感謝を伝えます。
- 新聞紙などに包み、他のゴミとは分けて処分します。
熊手をゴミとして扱うことに抵抗を感じるかもしれませんが、感謝の気持ちを込めてお清めすれば神様にも伝わるはずですよ。
熊手は、1年間の福をかき集めてくれた神様とのご縁の象徴です。
どんな方法であっても、「ありがとうございました」という気持ちを込めて行うことが一番大切なんですよ。
熊手の処分はするべき?
熊手については、あくまで「1年を目安に新しい福を招くために取り替える人が多い」という習慣的なものです。
つまり「処分しない=悪いことが起きる」という考え方は、絶対に正しいとは言えません。

けど、やっぱ縁起物だし「古い熊手を処分しないと運気が下がるのでは…」と不安にもなりますよね。
ただ、ここにも大切なのは“心掛け”ではないかと考えられますよ。
古い熊手を飾り続けても問題なし?
熊手を飾ったままにしていても、神様が怒ることはありません。
むしろ、長年同じ熊手を大切にされている家庭やお店もあります。
熊手は大切に扱われること自体が、感謝と信仰の表れです。

また、熊手には“寿命”という概念もありません。
木や竹、紙など自然素材で作られているために時間が経つほどに味わいが増し、「家やお店の守り神」として長年飾る方も少なくありません。
ですから、「1年経ったから処分しないと不運になる」と焦る必要はまったくないのです。
「新しい熊手に買い替える」ことの意味は?
とはいえ、酉の市で毎年新しい熊手を授かる風習には意味があります。
それは、「古い福を感謝で手放し、新しい福を迎える」という“更新の儀”のようなもの。
繁栄が続くように感謝の気持ちを込めて新しいバトンを渡す、そんな前向きな行いです。

ただし、この行いは“義務”ではなく“気持ち”の問題。
「今年は買い替えたいな」と思ったときに、古い熊手はお返しする…それで良いではないでしょうか。
ただ、大切に思う気持ちは持ち続けてくださいね。
古い熊手を清めて飾り続けたいときは?
お持ちの熊手に思い入れがある場合は、お清めをしてから飾り直してはいかがでしょうか。
軽く塩をふり、清らかな気持ちで「これからもよろしくお願いします」と手を合わせるだけ。
これだけでも神聖な空気が整い、心もすっきりしますよ。
また、熊手のそばに盛り塩を置くのもアリですね。
大切なのは「処分」より「感謝」
熊手は“福を呼び込む道具”であると同時に、“感謝を形にする象徴”でもあります。
1年間のご加護に感謝し、新しい年を迎える心構えを整える――それこそが本来の意味なのです。

だからこそ、「処分しないとバチが当たる」といった恐れは不要です。
大切なのは「どう扱うか」よりも「どんな気持ちで向き合うか」であり、手放すときも飾り続けるときも、そこに敬意と感謝の想いがあれば、きっと神様は微笑んで見守ってくださるでしょう。
処分には明確な決まりはなく、感謝の気持ちを忘れなければ飾り続けても大丈夫です。
熊手の購入をやめるには?
熊手は「縁起物」であり、「信仰の義務」ではないため、自分の気持ちや生活に合わせて柔軟に付き合っていけば大丈夫です。

大切なのは“形”ではなく、“感謝の気持ち”ですよ。
たとえば、これまで毎年欠かさず購入してきた人が「今年は控えようかな」と思ったときに、その背景には「今ある熊手をまだ大切にしたい」「一度お休みして気持ちを整理したい」という真摯な思いがあるでしょう。
そうした気持ちに嘘をつかず、一旦やめてみることは決して悪いことではありません。

むしろ“習慣を見つめ直す機会”として、とても意味のある選択ではないでしょうか。
また、熊手を買わない年でも手を合わせて神社にお参りしたり、これまでの熊手に「ありがとう」と感謝を伝えたりすることで、気持ちの区切りをつけることができます。
信仰や縁起というのは、本来“心の拠りどころ”です。
続けることも自由、立ち止まることも自由であり、「買わない」という選択もきちんとした信心のひとつの形。

もちろん「また来年、気が向いたら買ってみよう」と思い直すのも自然な流れと言えますよね。
熊手は“毎年絶対に買わなければならないもの”ではなく、“必要なときに呼ばれる縁起物”のような存在です。
一度やめたからといって、そのご利益が消えるわけでも、運が下がるわけでもありません。

むしろ自分の中で納得し、心が穏やかに過ごせることが一番大切です。
熊手を買うor買わない年も、自分なりの「感謝」と「前向きな気持ち」を持てば、それこそが何よりの“福”を呼び込む力になるでしょう。
酉の市の熊手は違う神社に返納まとめ
熊手は毎年買い替えるものと思われがちですが、実際には「必ず処分しなければならない」という決まりはありません。
購入した神社へ返納するのが一般的ですが、近所の神社やどんど焼き、自宅での清め処分でも問題ありません。
重要なのは“感謝の気持ち”をもって丁寧に扱うことです。
また処分しなかったからといってバチが当たることもなく、何年も同じ熊手を大切に飾る家庭も多くあります。
さらに熊手の購入自体をやめても問題はなく、一旦お休みすることで心を整えるきっかけにもなります。
熊手との付き合い方に正解はなく、自分の生活や気持ちに寄り添った形で感謝をもって向き合うことこそが一番大切なのです。
横浜の酉の市はかなり規模が大きく、見応えたっぷりですよ。
下の記事を参考に、ぜひとも気軽に参加してみてはいかがでしょう。